多発性関節炎のトイプードル用の介護用カート製作
多発性関節炎に苦しむトイプードルのために
多発性関節炎を患っているトイプードルの飼い主さまからのご依頼でした。多発性関節炎とは、免疫の異常によって複数の関節に炎症が起こる病気で、関節が腫れたり変形したりする症状が見られます。
ご来店いただいたワンちゃんは、前脚の関節が曲がったまま地面についてしまう状態で、足裏がうまく接地できず、痛みや炎症が強く出ているようでした。
前脚を浮かせた4輪カートのご提案
7月20日にご来店いただいた際、試乗用の4輪介護カートに乗っていただきました。後脚には力が残っていたため、後脚で自力歩行できるタイプを選択し、前脚だけをハーネスで吊り上げる仕様を提案いたしました。
このタイプであれば、前脚への負担を大幅に軽減でき、万が一、将来的に後脚が弱くなったとしても、ハーネスを追加することで前後ともに吊り上げが可能になります。長期的な使用を見据えた設計が大切です。
前脚の負担を軽減するための工夫が必要
今回製作したカートは、以下のような調整機能付きです:
- ハーネスの吊り上げ高さ調節
- 前輪・後輪の高さ調節
ワンちゃんの体調や体形の変化に柔軟に対応できるように設計しています。介護カートは使い続ける中で身体に合わなくなってしまうことも多いため、調整が可能であることが非常に重要です。多発性関節炎の場合は高さ調節が必要になります。
仮組フレームでフィッティング
7月23日には仮組したカートフレームを実際の身体に合わせて最終調整を行いました。ハーネスに合わせて前脚を吊り上げるフレームを調整し、痛みのある前脚が床に触れないように組付けました。
前脚が接地しない状態で後脚だけで歩くのには少し時間がかかりますが、毎日少しずつ慣らしながら使っていただくことで、身体に負担をかけずに移動ができるようになります。
最後に
介護カートは、ワンちゃんの今の身体だけでなく、これからの変化にも対応できることが大切です。少しでも快適に、痛みなく過ごしてもらえるよう、今後も丁寧なサポートを心がけていきたいと思います。