コーギーの「すずちゃん」車いすで元気にお散歩!【製作事例紹介】
コーギーの「すずちゃん」スムーズな歩様
先日、当店で犬用車いすを製作させていただいたコーギーの「すずちゃん」のご家族から、うれしいご報告が届きました!
これまではコルセットを装着し、飼い主さんが後脚を吊り上げながら散歩をしていたそうですが、今では車いすに乗って、飼い主さんと一緒にリードで楽しく歩けるようになったとのことです。
歩様を支えるのは「バランス」がカギ
コーギーなど犬用車いすを製作するうえで、私が最も大切にしているのは「バランス」です。
歩様(ほよう=歩き方)をスムーズに保つには、車いす全体のバランスが非常に重要です。
たとえば、YouTubeなどで見かけるDIY製作例では、水道用の塩ビパイプに穴をあけてネジでタイヤを取り付けているものがあります。
しかし、ハンドドリルで左右均等に穴を開けるのは難しく、タイヤの角度にズレが生じる可能性があります。
タイヤの角度で「直進性」が変わる
人間の車いすスポーツ(バスケやテニス)で使われる車いすのように、タイヤを八の字に広げて取り付けると、旋回性能は高まります。
しかし、犬用車いすにおいては「直進性」が重要になるため、タイヤ角度が広すぎると逆効果。ふらつきの原因になります。
例えるなら、スーパーのカートで真っすぐ進まずにふらつくものと同じ状態です。これはタイヤの角度やキャスターの不良によるものです。
犬用車いすも同様で、設計や製作時にタイヤ角度を考慮しないと、歩行を妨げてしまう原因になります。
フレームに直接ネジ止めはNG!
犬用車いすを選ぶ際に注意してほしいのは、「フレームに直接ネジ穴を開けてタイヤを固定しているタイプ」です。
このタイプは一見シンプルで頑丈そうに見えますが、体型や歩行状態の変化に対応できません。
特に、手術後やリハビリ段階では、体の状態が日々変化します。2週間もすれば、腰骨の湾曲が伸び、高さや長さの調整が必要になることも多いです。
私はそうした変化に対応するために、タイヤの角度・高さ・長さを調節できる専用金具を使用しています。

犬の身体と歩様を理解したものづくり
私はトリミングA級ライセンスに加え、自動車整備士の資格も持っています。
これまで数多くの犬をトリミングし、歩かない子のリハビリや、クセのある歩様の矯正にも携わってきました。
犬の歩様や性格を理解し、その子に合った調整ができること。それが、ただ「物を作る」だけではない、犬の身体に寄り添った製品作りだと思っています。
最後に:すずちゃん、これからもたくさんお散歩してね!
コーギーのすずちゃん!元気なお散歩動画から、私自身もたくさんの元気をもらいました。
今後もその子にとって本当に歩きやすい、安心して使える犬用車いすを製作していきたいと思います。
全国出張組付けにお伺いさせていただいております。ご質問、相談などお電話いただければ幸いです🐕