柴犬の旋回歩行に対応させる老犬介護カートの製作
柴犬の旋回歩行は老化・認知症のサインかも?
柴犬のお客様より、老犬介護カートの製作依頼がありました。
歩行はまだできるのですが、前庭疾患と認知症の症状が見られ、旋回しながら歩いたり、遠吠えをしたりといった行動が目立ちます。
身体は元気なため、旋回歩行が始まると疲れるまでぐるぐると歩き続けてしまいます。これは老犬特有の行動であり、飼い主さんにとっても心配な症状のひとつです。
老犬介護カートで「歩行・排泄・食事」が一体に!
今回製作した柴犬用老犬介護カートは、
- かんたんに乗せられる構造
- カートに乗ったまま排便や食事ができる設計
- 安全に旋回歩行ができる機能付き
という、三つの目的を叶えたものです。
老犬のストレスを軽減しつつ、飼い主さまのお世話の負担を減らすことができる「一石三鳥」の介護カートを目指しました。

旋回歩行をサポートするカートの工夫とは?
旋回歩行を安全に行うには、室内の広さや環境に応じた工夫が必要です。私は以下のような方法で対応しています:
- カートのフレームにパイプを取り付け、コンパスのように回転させる方法
- タイヤの向きを一定角度に固定し、円を描くように旋回させる方法
今回は後者を採用しました。
タイヤ角度を調整することで、部屋の広さに合わせた旋回半径が確保できます。ただし、元気に歩き続けると遠心力で少しずつ外側にズレてしまう点は要注意です。
柴犬用介護カート選びで失敗しないために大切なこと
ネットで検索すると、さまざまな柴犬用老犬介護カートが販売されています。
しかし、見た目だけでは「本当に合うか」は分かりません。
たまたま身体にフィットしたとしても、日に日に変化する老犬の状態に合わせて改良するには大変な労力が必要です。
そのため、**「購入後の調整やメンテナンスに対応してくれるか」**が、とても重要なポイントになります。
老犬介護カートは“完成”ではなく“成長”です
私はこれまで数多くの柴犬用老犬介護カートを製作してきました。
すべてオーダーメイドで対応しています。
- 犬の身体に合わせてパイプを1本ずつ手作業で曲げ
- タイヤやハーネスを取り付け
- 微調整を重ねながら最適な形へと仕上げていきます
ですが、「100%完成された介護カート」は存在しません。
老犬の体調は日々変化します。だからこそ、リペアや改良を重ねながら“付き合っていく”介護カートが本当の意味での完成形だと思っています。
その場で完成!全国出張製作の流れ
全国からご依頼をいただいており、現在は毎月出張製作を行っています。
- こちらで仮組みのフレームを製作
- 訪問先で実際にワンちゃんの身体に合わせて組み立て
- その日のうちに完成・お渡しが可能です
使用するパーツには調整可能な金具を使っており、タイヤの位置や高さなどもその場で調整できるように工夫しています。